イタリア・ミラノから車で1時間半ほどの距離に位置するビエラのフィラ博物館。
館内に大切に保管されていた1985年に発売された日本製のFX-2。
今回の企画の始まりはここからだった。
日本製で復刻させる工場は、姫路城を中心とした豊かな歴史文化、
山、海、川の自然に恵まれた兵庫県・姫路市にある。

姫路は、ものづくり産業が集積する商工業都市として知られる。
日本初の世界文化遺産で、白鷺城の異名を持つ美しい城で有名な城下町。

姫路は、日本屈指の革の流通量を誇り、革のなめしにおいて国内有数の産地。
加工に携わる職人や企業が多く存在する、靴業界では有名な「タンナーの街」でもある。

工場は、JR姫路駅から車で15分程の場所にあり、約100年に渡って伝統を受け継ぐ地場産業として、一足にかけるこだわりや生産スピードまで、理想に限りなく近いかたちで具現化できることで有名だ。
また、硬さのあるボードをインソールに挟み込み、厚みのある革と組み合わせることで、強い負荷にも耐えられるボードラスティング製法にも定評がある。

今回のフィラの復刻モデルは、高度な職人技によってパターンが成形されるため、ラスト(木型)にも忠実で、シルエットも美しく仕上がるのが特徴であり魅力。
大量生産やコスト優先のシューズが大半を占める今だからこそ、日本の職人技術によるメイド・イン・ジャパンを体現できる希少なモデル。
その希少な技を持つ、工場開発責任者を取材した。
Factory Staff Interview
工場開発責任者インタビュー
–––復刻させたFX-2の靴全体の特徴を教えてください
1枚の写真から、当時のディテールを忠実に再現しました。アッパー素材に関しては、1985年当時のオリジナルモデルがフルグレインレザーを使用していたことから、復刻にあたっては、素材の選択肢や加工技術が豊富な姫路レザーで十分に再現可能でした。
現在のスニーカーでは、シボ押しやコーティングなどの加工技術によって、見た目はそれらしく仕上げられているものも多いのですが、実際には強度の低いレザーを使っているケースも少なくありません。
そのため、履き込むうちにどうしてもへたりやすい。一方で、姫路レザーは耐久性に優れ、傷がつきにくく、伸縮性や柔軟性があり、熱にも強い。
さらに経年劣化が起きにくいという特徴があります。革の表情をそのまま活かした仕上がりは、最高品質とされるフルグレインレザーと同等のクオリティが期待できます。
また、FX-2のためにラスト(足型)もオリジナルに忠実に再現しました。
もちろん予算面も大切ですが(苦笑)、今回はあくまで忠実に再現するという「こだわり」を優先しました。


–––FX-2の各ディテール部分について教えてください
1985年当時の開発では、機能面の要件さえ満たしていれば、デザインはデザイナーに一任されていました。
そのため、パーツの分割方法や縫製手順には、つくり手の癖がそのまま出ることも珍しくありませんでした。
FX-2で採用された赤とネイビーのラインのデザインは構造的には非効率とも言えるのですが、それを承知のうえで表現されたディテールこそが、まさにこのモデルの象徴となりました。
今回の復刻では、30以上のパーツを何度も作り直しながら忠実な再現を目指しています。






当時の現物サンプルが手元になかったため、1枚の写真をもとに細部まで検討を重ね、ラインの縫製位置や、目に見えない部分の構造についても想像力を働かせながら、ラスト(足型)を新たに起こしました。
もちろん、ディテールにこだわらなければ、海外生産という選択肢もありましたが、オリジナルをリスペクトする以上、やはり職人の技術を活かすべきだと考えました。
そうした“クラフトマンシップ”はフィラジャパンと我々の双方が持ち合わせた共通項だと思います。


–––生産する上で一番大変(難しい)だった所を具体的に教えてください
踵のラインは、やはりこのモデルの象徴なので、しっかりとボリュームを出したいと考えました。
ただ、ボリュームを出し過ぎると野暮ったくなってしまうし、逆にスッキリして存在感が薄れてしまうのも避けたい。そのちょうどいいバランスを見つけるのが、とても難しかったですね。


特に丸みを帯びた踵の形状は試作を重ねました。
縫製の工程から工夫し、ウレタンを内部に入れることで美しいシルエットを実現しています。
繰り返し数十足の試作を重ね、企画段階から数えると、完成までに1年以上の時間が掛かっています。


–––完成したFX-2の作り手の満足度と実際履いてみての履き心地は?
100点満点でないと商品化はできませんので(笑)。
そこに至るまで何度も試作し、試し履きました。
そしてなんとか履きやすさを含めてイメージ通りの仕上がりになりました。
丈夫なレザーなので履き込むほどに表情を変え、傷やシワも味となり、長く付き合える、まさに「育てる一足」になっています。

FX-2 MADE IN JAPAN
–––FX-2をどんな方に履いてほしいですか?
フィラのファンにはもちろん、これまでフィラを手に取ったことのない若い世代の方にも、ぜひ履いていただきたい一足です。また、革のエイジングを楽しめるのも魅力のひとつ。
履き込むほどに味わいが増し、価格以上の価値を感じていただけると思います。
そういった部分に共感してくださる方にもお勧めです。

FX-2 MADE IN JAPAN
¥26,400



フィラの日本をテーマにした共作モデルが登場
ベースモデルはもちろん、前ページで紹介した日本製のFX-2。



FX-2 JAPAN×TABATASHIBORI
(MADE IN JAPAN)
¥27,500
京都の伝統工芸「絞り染め」を継承する京都の絞り染め職人、田端和樹氏による「たばた絞り」とのコラボレーションモデル。京都には1400年以上続く絞り染めの伝統があり、その技術は今も脈々と受け継がれ、数々の作品が作り出されている。
たばた絞りは、伝統的な技法を継承しつつも革新的な発想で現代の素材や製品に絞り染めを施し、その魅力を京都から発信し続けるブランド。
ワントーンで統一された深く美しいジャパンブルーは、たばた絞りならではの繊細な絞り染めによって完成した一足。



FX-2 JAPAN×ITONAMI DENIM
(MADE IN JAPAN)
¥24,200
イトナミは、日本各地の不要になったデニムを回収・反毛し、新たな生地へと再生させる活動を行い「デニムで人・モノ・人の間を育む」をものづくりのテーマにするデニムブランド。
その循環型のものづくりへの情熱と、素材への深いこだわりが、今回の特別なコラボレーションを実現させた。
どんなスタイルにも合わせやすいライトブルーのデニムとアイボリーのレザーとソールのコンビネーションで構成された一足には、過去と未来を繋ぐサステナブルな想いも込められている。



FX-2 JAPAN×KOSHO
(MADE IN JAPAN)
¥27,500
幸昇(KOSHO)は、江戸切子職人である根本幸昇氏が伝統工芸の江戸切子を「工芸から藝術へ」と昇華させることを目指し、革新的な作品を生み出しているブランド。
本コラボレーションモデルは、着物にも用いられる高貴な和柄「菊繋ぎ」を、高度なレーザー加工でアッパーに表現したスペシャルモデル。
FX-2のシンプルで普遍的なシルエットに、江戸切子の繊細な意匠を融合。日本製のFX-2に日本の伝統美、美意識が添えられ、足元から日本伝統を体感できる一足となっている。

FILA FX-2 collaboration with
MASTERMIND WORLD
FX-2 JAPAN×MASTERMIND WORLD
¥33,000
FX-2をベースモデルにしたマスターマインド ワールドとのコラボレーションモデル。
マスターマインド ワールドは、デザイナーの本間正章氏が2017年にスタートさせたマスターマインド ジャパンのグローバル向けニューライン。
ブランドの象徴であるスカルモチーフは「死ぬまで夢をあきらめない」という精神の象徴。
本モデルも本間氏の揺るがぬ美学と徹底した物づくりの姿勢が表現されている。

FX-2 JAPAN×CITY HUNTER 40th Anniversary
(MADE IN JAPAN)
¥35,860(11月発売予定)
「週刊少年ジャンプ」に1985年から1991年まで連載された「シティハンター」との共作モデルで共に40周年を迎えた記念すべき一足(先着326足限定)。
3月26日は主人公「冴羽 獠」の誕生日で価格も32,600円。
サイドラインのカラーリングは、冴羽 獠のジャケットとインナー、ライニングは槇村 香の100tハンマー柄。右足のサイドボディには、合言葉の「XYZ」が刻まれている。
FILA VENOM EVANGELION LIMITED
EVA-00
EVA-01
EVA-02
¥19,800
エヴァンゲリオンの30周年を記念したコラボレーション第4弾モデル。
アニメーターの浅野直之氏による新たな描き下ろしイラストでキャラクターが着用し、エヴァンゲリオンの機体をフィーチャーした初号機・2号機・零号機の3モデルがラインナップ。
ベースモデルは、1994年に登場したランニングシューズ、ヴェノム。
パーツが重なり合うアッパーデザインや、ヒールのプラパーツロゴなど、1990年代を象徴する要素が各所に見られるモデルにエヴァンゲリオンの世界観を落とし込んだ力作となっている。
FILA FLOAT MAX
¥12,100
来シーズン強化することが発表されたランニングシューズカテゴリーからニューモデルが登場。フィラ フロート マックスは、「浮く」という言葉から生まれる軽やかでエアリーなイメージで開発された新しいランニングシューズ。
従来のシューズよりラスト(足型)の幅がワイドな作りになっているのが特徴で、フィラ独自のミッドソール、スカイフォームライト(Sky foam lite)を搭載し、軽量で柔軟性、クッション性、反発性に優れた一足に仕上がっている。